「音響監督と舞台監督は3年の内山と中倉が。照明やスタッフリーダーも3年の誰かがやります。」


『…随分と大掛かりになってますね…。』


「そうですね…。スタッフの人数で言うと、50人は超えます。」


「そう言えば、どこでやるのかまだ聞いてないわ。」


「確か…ウィステリア劇場です。」


学園内の劇場で、高校唯一の舞台用劇場。


「デカいな。」


「まあ、大丈夫っしょ。」


つか、私的には普通に大ホールでやるのかと思ったけど…大分本格的だな。


「9月には立ち稽古をします。場所は203号室です。忘れずに来てくださいね。」


「分かりました。」
「はい。」
「了解でーす。」
「ああ。」


「…俺らは行かなくていいのか?」


『行かなくて大丈夫だよ。私らが行くとしたら…そうだな、本番の2週間前くらい?』


「そうか。」


『とは言え、ハルくんのことだから今からでも肌チェックして本番までに化粧ノリ良くしたいよね。』


「もちろん。けど、ざっと見た感じは大丈夫そう。…アンタの時よりは全然マシ。」


『私を引き合いに出さないで!?』


「衣装もそのくらいにまでに用意しておけばいいよね?」


「うん、よろしくね。」


「…パンフのデザインは、本番の一ヶ月前に、見せるから。」


「うん、よろしく。」


『曲はどのくらいまでに出せばいいですか?』


「そうだね…出来たら聞かせて欲しいって感じかな。」


『分かりました。』


「あ、それと、プロモーションビデオのことなんだけど。各学科の代表4人と生徒会、あとこのメンバーで撮りたいと思います。時間は140秒。」


『PVの曲…CM作るのと同じノリでいっか。』


「その時の台本がこれです。メインは男女一人ずつということで、桃李と真希さん。丁度兄妹設定だし、これで行こうと思います。映像学科の代表はもうこの4人で決定です。」


『そうですね。』


「後は音楽学科がゆきさんを除く3人、美術学科が雪音君を除く3人、著作学科が僕を除く3人、総合アーティスト学科が幸樹君、瑞希君、悠君を除く1人が必要になります。」


『生徒会は?』


「それぞれ、学科に1人ずつです。」


「じゃあ映像学科以外の…3人は大丈夫ですね。」


『あとは音楽学科、美術学科、著作学科、それぞれ2人ずつですね。』


「著作学科はアテがあるので大丈夫です。」


『音楽学科は1人、アテがいますけど…。幸樹に聞いてみます。アイツ、コミュニケーション能力オバケなんで。』


「美術学科は…。」


『雪音先輩に友達がいるって聞いたことないので、そっちも幸樹に聞いてみますね。』


「よろしく、ゆき。」


『任せろ。』


「…誰も突っ込まないのか…?」


雪音先輩に誰も近寄らないからね、うん。


友達がいないのは、まあ、しゃーない。


「じゃあ、とりあえずこの場は解散で。」