『くぁ…っふ…あー、眠い。』


「あら、寝不足なの?結城君に怒られるわよ。」


『そんな不吉なこと言わないでよ、真希。違う違う、疲れがまだ残ってるの。』


「もう一週間経ってるのに、まだ疲れてるの?どこのお婆さんよ。」


『見た目は学生、中身はババア。その名も、天才作曲家葉山ゆきです。』


「止めなさい。」


『…まあ、あとはそうだね…かの方々の対応の疲れも残ってるよね…。』


「…もう出回ってるの?ゆきと秋さんの演奏DVD。」


『それがねぇ…出回ってるみたいなんだよね…。』


「まだ製造してないわよね。発売は夏休み後じゃなかったかしら。」


『そうだよ。でも誰かさんが録画でもしたんだよ…検討はついてるけど。』


「誰かさんって………ああ、あの人か。」


『そう。あの人。』


「…そういえば、去年も業界の知り合いに会う度に見せびらかしてたわね。」


『そうなの。困る。彼らの対応に困る。というかお前の娘じゃねーんだよ私はって言いたい。てか言ったけど。』


「言ったのね…。」


『あーあー、てかもう来週には筆記試験だし…。生物オワタ…英語オワタ…。』


「英語くらいは出来るようになりなさいよ。」


『英会話程度は出来るよ?でもさあ…書けないよねっていう。単語の意味は分かるけど、文章化出来ないよねっていう…。』


「英語で日常会話を話すのと、英語の試験は全然違うわね。」


『つかマジで生物オワタ。』


ピンポンパンポーン


「1年F組、結城悠君、2年B組、葉山ゆきさん、桜庭瑞希君、C組、雨取真希さん、F組、柏木玖音君、大神尚斗君、3年A組、保科雪音君、H組、真柴桃李君、至急第3会議室に集まってください。繰り返します______。」


『…呼ばれたね。』


「そうね。」


『…見事にみんなバラバラだよね。』


「ええ。」


『…脚本仕上がったみたいだね。』


「そうね。…また忙しくなるわね。」


『……そうだね…。』


やっと一息つけたと思ったらー…。