『ん…。』


「…ゆき?」


『…あー、秋。…今何時。』


「8時。もう終わって、後はスタッフと教員のみが残ってる状態だ。」


『そっかぁ。』


「そしておめでとう、葉山ゆき。二年連続最優秀賞に輝きました。」


『うぇーい。』


「ちなみに秋月が優秀賞。」


『うんうん。』


「特別賞は桜庭と浅沼な。」

『うんう…ん??』

「複数の衣装の出来がとても素晴らしいのと、一人で全てのプログラムの舞台設営をデザインしたのが素晴らしいと評価されたらしい。」


『三人におめでとうって言っておこ。』


実力は素晴らしい二人。


取るべくして取る賞だ。


『あ、そう言えば私着替えられてるけど…。』


「俺じゃねーぞ??」


『分かっとるわい。』


「雨取と桜庭が着替えさせてた。」


『へー…まあ瑞希も男だけど、見た目が可愛いから許す。』


「じゃ、もう帰るぞ。起きれるか?」


『…怠い。』


「米俵のように運んでやろうか。」


『やめい。肩貸し…て欲しいけど背が高いんだな秋くんよ。』


「まあ、身長180以上あるんで。」


『ウザイぞ秋くん。』


「俺は事実を言っただけだ。じゃあ背負うぞ。」


『ならまだマシか。』


「…太った?」


『私が太ったと言うならば、全ては秋のせいだ。』


「嘘だよ、真に受けんな。むしろ軽いわ。俺食わせてるはずなんだけど。」


『まあ、身を削りながら練習とか作曲とかしてるからね。プラマイゼロよ。』


「そうかそうか。お疲れー。」


なでなでしてくれる、秋。


『ふひひひひ。』


「笑い方。」







『お疲れ様でしたー。』


スタッフに声をかけながら家路に着く。


後でハルくんからメールが。


「メイク落としたあとのスキンケアを怠るなよ。次に学校来たときチェックするからな。」


脅しメールだ…。