あたしとその周りがのばらを無視したところで、人気のあるのばらのことだから、きっとまたすぐにどこかのグループに受け入れられるだろう。
それでも、べったりと依存されていたあたしが突然裏切ることによるダメージは充分に与えられるだろう。
クラスに仲のいい男子が多い樹里が、少しずつのばらを敬遠するようみんなに拡散することはできると言ってくれている。とても心強い。
彼女に好意を寄せていたのに相手にされなかった男子や、好きな相手がのばらを好きで振られた女子も、きっと協力してくれるはず。
うまくゆけば、佐々木のばらはクラスで浮いた存在になる。
心細さと居心地の悪さを存分に味わえばいい。
さよなら、のばら。
あなたに罪はないけれど。
「お待たせ、お待たせ」
息を切らせて職員室から出てきたのばらは、丸めた画用紙を手にしていた。
「これ、中川先生から回収してきたの。千代子に見せたくって。じゃーん」
効果音を口にしながら、彼女は画用紙を広げてみせた。
あたしは目を丸くする。
好きなひとやグループの名前のロゴを独自にデザインする、美術の授業の課題だった。
「真田千代子」の文字が、虹色に彩色されて用紙いっぱいに踊っていた。
それでも、べったりと依存されていたあたしが突然裏切ることによるダメージは充分に与えられるだろう。
クラスに仲のいい男子が多い樹里が、少しずつのばらを敬遠するようみんなに拡散することはできると言ってくれている。とても心強い。
彼女に好意を寄せていたのに相手にされなかった男子や、好きな相手がのばらを好きで振られた女子も、きっと協力してくれるはず。
うまくゆけば、佐々木のばらはクラスで浮いた存在になる。
心細さと居心地の悪さを存分に味わえばいい。
さよなら、のばら。
あなたに罪はないけれど。
「お待たせ、お待たせ」
息を切らせて職員室から出てきたのばらは、丸めた画用紙を手にしていた。
「これ、中川先生から回収してきたの。千代子に見せたくって。じゃーん」
効果音を口にしながら、彼女は画用紙を広げてみせた。
あたしは目を丸くする。
好きなひとやグループの名前のロゴを独自にデザインする、美術の授業の課題だった。
「真田千代子」の文字が、虹色に彩色されて用紙いっぱいに踊っていた。



