そして迎えた一学期の最終日。
修了式も終わり、みんなすっかり夏休みモードだ。仲の良かった男女が正式に付き合うことになったらしく、みんなに冷やかされている。
「千代子~、帰る前に職員室付き合って」
荷物をまとめてのばらは微笑む。眼帯の取れたその笑顔は、まばゆいばかりに美しい。
純真無垢なのばら。
他人を疑うことを知らないのばら。
自分がこれからしようとしていることを思うとどうしても胸が痛むけど、お母さんの仇打ちのためにあたしはここまでたどり着いたのだ。
自分を納得させて、彼女と一緒に陽のあたる廊下を歩く。
上級者や先生までもが、のばらに視線を投げかけてゆく。
昨日のうちに、美術部に入部届を出した。
あたしの新しい居場所確保のためだ。既に部員である倉科さんや井田さんは歓迎してくれた。
二学期からは、のばらと一緒に下校することもない。
真似して入部したいなんて、言わせない。
日中は樹里と亜由美、放課後は美術部のメンバーと過ごす。
のばらに話しかけられても、表情ひとつ動かさない。
まるで見えないもののように振る舞うのだ。
彼女の母親が、あたしのお母さんにそうしたように。
修了式も終わり、みんなすっかり夏休みモードだ。仲の良かった男女が正式に付き合うことになったらしく、みんなに冷やかされている。
「千代子~、帰る前に職員室付き合って」
荷物をまとめてのばらは微笑む。眼帯の取れたその笑顔は、まばゆいばかりに美しい。
純真無垢なのばら。
他人を疑うことを知らないのばら。
自分がこれからしようとしていることを思うとどうしても胸が痛むけど、お母さんの仇打ちのためにあたしはここまでたどり着いたのだ。
自分を納得させて、彼女と一緒に陽のあたる廊下を歩く。
上級者や先生までもが、のばらに視線を投げかけてゆく。
昨日のうちに、美術部に入部届を出した。
あたしの新しい居場所確保のためだ。既に部員である倉科さんや井田さんは歓迎してくれた。
二学期からは、のばらと一緒に下校することもない。
真似して入部したいなんて、言わせない。
日中は樹里と亜由美、放課後は美術部のメンバーと過ごす。
のばらに話しかけられても、表情ひとつ動かさない。
まるで見えないもののように振る舞うのだ。
彼女の母親が、あたしのお母さんにそうしたように。



