そんな彼を見て、三人は三者三様に頭を抱える。


「まさかの……」


「あの、赤子だった……」


「それは、それは……ことが自然に運んだようで。驚きましたわ、ねぇ、祥星様」


いや、一人だけ例外。


皇太后様は感心しながら、楽しそうに口元を和らげて。


「おめでとう、鈴華」


「ありがとう!お祖母様!!」


鈴華様に、お祝いの言葉を述べた。


とても嬉しそうな鈴華様は悠遠様と手を繋いで、黎祥たちの前に出て。


「お祖父様達は、お祝いしてくれないの?」


と、とても可愛く、二人を見上げる。


無意識だろうが、とても可愛いその姿に言葉を詰まらせた黎祥……というより、先々帝は、


「鈴華、」


真面目な顔で、呼びなれない孫の名前を口にする。


「その……お前はわかっているのか?悠遠殿の、身分……いや、それはどうにでもなるな。住んでいる場所とか、これからの話とか」


「……」


「理解出来ていないのなら、麟麗と鈴華、同じ母から生まれたのは二人だけの、大切な姉妹だろう?ちゃんと話をしなさい」


先々帝の諭す言葉に、


「お祖父様、私はまだ齢十ですが、自らの決断には覚悟を持っているつもりです。お姉様とも話し合って、決めたんです。それと、私たちのお母様はいつまでも変わらない、あの人ですが……今のお母様は、明鈴お母様ですから」


凛と背筋を伸ばして、答えた鈴華様。