麟麗様に目を向けると、彼女は彼女で何かを祥基と話し込んでいて、まぁ、驚いていないところから見るに、知っていたんだろう。


祥基も鈴華様を妹のように可愛がっている聞いていたし、それでも驚いていないのは、祥基が認めた相手だということ。


(祥基が認めているのなら、大丈夫だと思うのよね……)


祥基はハッキリとした性格ゆえか、敵を作りやすい。


だが、その分、味方も多いのだ。


彼は色んなことを踏まえた上で、人を見極める奴だから、安心して、家の留守も麟麗様達のことも託せたんだし。


「おじい様、お祖母様、叔父上、今ね、相手の親も連れてきてもらってるの!もうすぐしたら、求婚してくれた人も来ると思うから……もう少し待って!」


鈴華様はそう説明して、外を覗きに行く。


その鈴華様の説明で、少し我に返ったのか、三人は真面目な顔して。


「下町で結婚って……いや、勇成の娘だし、黎祥がよっぽどの事をやらかさない限り、今更、皇位継承権の復活はかなりの確率で有り得ないから、良いんだろうが……良いのか?」


「よっぽどの事ってなんですか、父上。俺は国のために乗り気ではない結婚を、皇族に勧めたりはしません。そうしないと治められない皇帝なら、この国に必要ないと思いますし。父上が見極めて、認めたらどうです」


黎祥と話し込み始めた、先々帝。