「―叔父上、翠蓮、お茶どうぞ」
そこへ、お茶を持ってやってきた麟麗。
「久しぶり、元気にしてた?」
文で確認していたと言っても、ちゃんと真正面から見ないと、確認できないよね。人の状態は。
「はい。それなりに。よく……」
「鈴華たちは?あ、そうだ。叡季とか……明鈴にも、会えたかしら?」
詰め寄って確認しようとすると、
「翠蓮、麟麗が困ってる」
と、黎祥にとめられて、
「翠蓮、麟麗を質問攻めしないでくれ」
祥基にそう言われてしまう。
祥基は慣れた手つきで、麟麗の腰を自身の方に抱き寄せてるし。
顔、真っ赤だよ。麟麗……。
どうしてだろうと考える同時に、もしかして、もしかするのかと思う。
「ねぇ、二人ってさ……」
「―翠蓮がいるって本当!?」
尋ねようとした時である。
大きい音を立てて扉が開き、飛び込んできた人達。
「豹宸(ヒョウシン)!星揮(セイキ)!―じゃなくて、豹揮(ヒョウキ)様と清宸(セイシン)様!」
下町で通っていた名前ではなくて、本来の名前を呼ぶと、
「様付けするな……寒気がする」
「そうだよ、翠蓮。今まで通りでいいよ!」
と、二人に苦笑いで返されて、遠くに座っていた先々帝は勢いよく振り向き、皇太后もどこか嬉しそうに立ち上がると、寄ってくる。