「―呉徳妃」


座り込んだ私の前に、陛下はしゃがみこむ。


「……すまなかったな」


そして、頭を撫でてくれる。


謝りながら、そう、慈愛の瞳を向けてくれる。


私は取り返しのつかないことを、したはずなのに。


「そのような若咲のお前を、そのようにしてしまったのは、確かに我ら淑家の問題だ。そこは改めるべきだと思うし、これから先、そのようなことがないよう、我らも気を払おうと思う。だから、信じてはくれないか」


「信じる……っ?私がしたことは、翠蓮様に……皇后陛下や皇帝陛下に顔向けできるものではありません!」


「その通りだな」


「…っ、わかっているのなら、どうして!」


おかしい。


私が起こしたのは、国家反逆罪に等しい。


皇族を傷つけた。


それは未遂であっても、極刑だ。


なのに、この皇帝の言い方だと、まるで、彼ら二人が治めるこの国の未来でも、私が生きているということになる。