「……これから、どうするの?」
翠蓮の震えた声に、莉娃は翠蓮を手招いて。
「長く、苦しかった旅を終わりにしたい」
「……」
翠蓮は目を見開いて、何も言わない。
周囲にいる、翠蓮の侍女と思われる人達。
「……全てを、話してはくれないの?」
「何を?」
話すことは、話し終えたはず。
でも、翠蓮の瞳は揺れていて。
「現帝の妃を殺したのは、私ではないよ。私ではない、もう一人の方だ。そして、楚昭容の懐妊は嘘ではないが、本当でもない……というところだな」
「露珠の母親は……」
「佳音のことか?佳音は先帝に求められ、自害した。お前も知っているんだろう?多くの女が自殺した場所」
「……」
「そこからそう離れていなかったのが、革命の時に燃え落ちた、先帝の寝所」
翠蓮はどんどん、悩ましそうな顔をしていく。
我が子ながら、面倒くさい性格をしているのかもしれない。
「自ら死んだという点では、間違いないだろう。検分した医官に問いつめたところ、死に方に特徴があったから。……ただ、それがどこで死んだのか……先帝の居間で発見された佳音だが、もしかしたら、先帝によって……」
「……革命の日、先帝の寝所にいたのは?」
翠蓮の声が、揺れて問う。
莉娃は微笑んで、指を差す。
翠蓮の後ろにいる、一人の女官を。