そう問いかけて瞬間、気が狂ったように大声を上げた女。


「うるさい!うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!!!」


頭を抱え込んで、女は涙を流す。


はらはらと―……そう、こんな時まで美しく。


「じゃあ、どうしよと言うのじゃ……殺されても、愛する人との幸せを知っているお前には分からぬだろう!」


「分からないわ!でも、私は今から、その最愛の人に逢いに行く!祥星様ではない、初めて愛してくれた人の―……」


蝋燭が、怪しげに揺れる。


愛晶はゆっくりと背後に下がり、若琳を守ろうとした。


「愛晶様っ、私のことはいいですから―……」


「ダメじゃ。お前はちゃんと両親に愛されて育った、未来あるものじゃろう?私はどうせ、廉海に逢いに行く。だから、そなたには生きてもらわねば―……」


「みんな、みんな、死んでしまえ!皇帝も、皇后も、皇太后も!後宮だって、壊れてしまえばいい!地位?権利?そんなものは要らない!!どうしてっ、どうしてっ?あの子は、あの子達は!!幸せになれたのに………っっ!!!!」


後ろに下がっている最中、何かを踏んだ。


それは、液体で……所謂、油。


「フッ、準備周到じゃ」


愛晶は笑って、懐にも忍ばせていた小刀を二本出して。