黎祥は申し訳なさから、目を覆って。


「…………兄」


と、呟く。


「兄、なぁ……お前、第六だろ?だから……第二か?それとも、処刑が行われた時に唯一、首を晒されなかった第四?」


既に片手で足りない数の皇族と触れ合っている為か、祥基は冷静で。


「……一応、前の名前は、淑才伯(シュク サイハク)。第四皇子だ」


「そうか……まぁ、民の生活を見て回るのはいいことだし、簡単に処刑を選ばず、生きていける道をあげたお前は立派な君主だと思う。でもな?どうして、俺の周りにはこんなにも集結するんだ?先々帝の治世、これもまた、いろんなところを歩き回っていたそうだが……血筋か?血筋なのか??」


「……散策好きな一家だと思って、見逃してくれ」


「いや、別に責めてるわけじゃねーよ?民の生活を見て回るのは良いことだしな、俺が聞きたいのは……翠蓮がいなくなったあとくらい……つまり、翠蓮自身も皇族に関しているんだろう?と、いうことだ」


「…………どうして?」


そんなことが分かった?


分かるような、場面があっただろうか?


すると、祥基は手を伸ばしてきて、黎祥の眉間を力いっぱい、押してきた。


「っ、痛いぞ、」


「あったりめーだ。強く押してんだから」


「何をするんだ」


「うっせ。……死人みてぇな面を、ずっとしやがって。何があったんだよ?笑っていても、目が笑ってねぇぞ」


睨まれて、呆気に取られる。


祥基は占術師か、何かか。