「―麟麗ー?」


「「麗姉たま〜??」」


また、開く扉。


現れたのは、見覚えある顔と双子。


(ああ、そういう事か……)


また、納得。


……祥基の言う意味がわかってきた気がする。


「―はいはーい、お邪魔するよー!祥基ー、差し入れ持ってきたよー!!昼餉にしよーって……こりゃまた、お揃いで」


「「結ちゃん!」」


現れたのは、今度はあの定食屋の娘。


確か……結凛。


「おい、お前、そんな重いもの持つなよ」


「大丈夫よ。懐妊してても、適度に身体は動かせって、翠蓮に言われたじゃないの」


「お前の動かすは、適度じゃないだろ。翠蓮にも、"適度に”を強調されていたじゃないか」


「アハハッ〜さて、今日も診療所の皆様に、ご飯を振舞おー!」


「「おー!」」


「お、宵、叡、手伝ってくれんの?」


「うん!」「だから、お菓子!!」


「分かった、分かった。じゃあ、昼餉の後ね」


「「わーいっ!!」」


……本当に、地獄絵図。


尚、最初に現れた、見覚えある青年は固まったまま。


飛び出して行った結凛と、結凛に引きずられるように出ていった麟麗、お菓子目的でついて行った双子を眺めた後、


「残りは、あと……第五皇子、第八皇子とも知り合い。で、今度は怜世とは、どんな関係だ?黎祥」


青年が固まっているので察したのか、また、大きなため息。