【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―




関わりがないからと、忘れてた。


数人いるんだ。


わかりやすい、その女狐を引きずり出せば―……他のやつもまた、彼女に続くだろう。


「順徳太妃」


「何でしょう?」


少し憔悴した顔をしている順徳太妃に、無礼は承知でお願いする。


「柳皇太后様を、呼んで貰えますか」


「皇太后様を?」


「ええ。ここに連れてきて欲しいのです」


すると、翠蓮の考えを読んだように。


「……分かりました。陛下にもお伝え致しますか」


流石、聡明な女人。


嵐雪さんの叔母であるだけある。


「…………そうですね」


順徳太妃の申し出に、間を置いて答える。


「陛下と、嵐雪さんにも」


これらは、思った以上に大事かもしれない。


全てを塗り替える、再度の革命。


今度は国内ではなく、後宮内で。


望まれて生まれた命もあれば、無い命もある。


望んだ愛が手に入らないように、望んだ全てが手に入る生活を手にするためか、単なる意地か。


「……死んだ妃を愚弄する訳では無いけれど、彼女たちは陛下に声をかけられていたわね」


「……」


「そして、秋遠は陛下の覚えと信頼が厚い」


順徳太妃と蘭太医が出て行った部屋の中、顔を突っ伏したまま、動かぬ灯蘭様を眺めて。


麗宝様は独りごちる。