【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―




どこかで聞き逃した情報がないかと、記憶を漁る。


怪しかったのは?


流雲様は―……。


「……………………まさか」


コトン、と、音を立てた。


頭の中で―……まさか、全部、繋がってる?


「翠玉?」


「ごめんなさいっ、高星様に宜しく言っておいてくださいませ!私、先を急ぎます!!」


「えっ、」


「私が行くわ」


秋遠様の焦る声に背中を向けると、そばに来た影。


「―初めまして。第一皇女の、淑麗宝よ。今、この後宮内で一人になるのは危険だわ。私がついて行ってもいいかしら?」


初めて、まともに話す相手。


―信頼して、良いの?


自身に問いかけながら、足を進める。


「他言無用を守ってくださるのなら」


翠蓮が考えをまとめながら、そう言うと、


「安心して。口はかたい方なの」


と、気分を害されることも無く、麗宝様はにっこりと笑みを深めた。