「杏果にも、話しとかないとね……」


天華たちに椅子とかを用意してもらって、掛け布を外す。


そして、杏果と向き合って、天華と蝶雪を交えて、これまでの話をした。


話が終わった頃には、三更(午後十一時~午前一時)になっており、翠蓮の心も乱れてた。


「翠蓮と、皇帝陛下が……」


「吃驚よね。暮らしているうちに少しずつ気づいてたんだけど……私は、知らないふりをしたの。また、孤独になってしまうのが嫌で、怖くて」


今思えば、なんてことをしていたのか。


「明日、もしかしたら、陛下の謁見があるかもしれない。だから、部屋で大人しくしているわ。でも、その日以外は……ちゃんと、夜伽もするわ。陛下と話さねばならないこともあるし」


「翠蓮様……」


「三人には申し訳ないんだけど、片棒を担いで欲しいの」


そこで、翠蓮は三人にお願いごとをした。


ひとつ、翠蓮と黎祥の過去の話を誰にもしないこと。


ふたつ、翠蓮と自分の命を選ばねらばならない時、必ず、自分を大切にすること。


みっつ、時々、翠蓮の代わりに、李妃のふりをすること。


それを言いつけると、三人は力強く頷いて。