「父様が……皇族の端くれ?」


父の眼差しは、今でも覚えてる。


美しい黒髪に、黒い瞳だった。


『俺は、母上に似たからね』


……そう、言っていたと言うのに。


「…………だから、知っていたのですか…………?」


「ん?」


「墓石……これ、父様が作ったんです。父様がお祖母様の故郷での、死者の弔い方って……」


「ああ。弔い方は、母上に習ったことがあるな。母上は……異世界より、いらした方だったから」


「……………………はい?」


流石に、そのことに関しては、聞き返させてもらった。


異世界…………異世界??


「父親から聞いたことは無かったかい?私と弟……君の父君の母は、異世界よりの客人だったってこと。帰る方法もなく、業波帝に見初められてね。他にも、高位の妃は沢山いたにも関わらず、寵妃として、業波帝が亡くなるまで傍に―……」


知らない。


聞いたことが無い。


それに……なんて?


業波帝って言ったら、先々帝の父親ではないか。


つまり、黎祥の祖父……え?


「じゃあ、何ですか……」


「?」


「私たち兄弟と、現皇帝は血が繋がっているというのですか!?」


流星さんに詰め寄ると、彼は目を丸くして。