「まぁ、現皇帝を信じるしかないよね」


と、翠蓮は呑気に言った。


だって、どうこう言ったって、翠蓮たちにやれることは何もないのだから。


「私達に出来ることを精一杯、頑張ろうよ。後宮に行かれないのも、何か理由があられるかもしれないし。どうせ嘆いたって、過去は変わらない。死んだ人は、帰ってこないのよ」


皇帝陛下の意思なんてわからないけれど、この国の未来を救うものであることは、何故か、確信できているから。


「それなら、お腹を満たして、自分に出来ることをした方がマシだわ。どんなに過去を嘆いたって、未来はやってくる。心臓が脈を打ち続ける限り、どれだけ泣いたとしても、お腹は減るんだから」


安らかとは言えなかった。


多くの人を、見送ってきた。


中には、母と弟妹もいた。


泣き暮らしたけど、何も変わることは無かった。


冷たくなった母たちが、動くことは無かった。