まず、三省―尚書省、門下省、中書省。


色々と仕事が決まっているそうだが、それは今から、後宮に入るにあたっての専門知識をつけるための講義で教えてくれるらしいから、自ら勉強はしていない。


そして、六部―吏部、戸部、礼部、軍部、刑部、工部は三省の中の尚書省の下につくものであり、これもまた、色々な仕事で成り立っている。


兄の慧秀が所属するのは、確か、礼部。


何やかんや、心配していたけれど、慧秀は翠蓮が考えるよりもずっと優秀だったみたいで、科挙にはちゃんと合格し、官吏となっていた。


栄貴妃と出会ったのは、それこそ、宴の席で……うん、もう、罪の話はやめよう。


バレたら、慧秀は死ぬ。


それだけは勘弁だ。


「……そういう所、母上を思い出させるなぁ」


翠蓮の気合いの入った言葉に、苦笑いをした慧秀兄上。


「母上のこと、懐かしいですか?」


「ああ。あの時も新米でなかったら、駆けつけられたのに」


それは、お母様が亡くなった時の話か。


仕方ない。


親の死でさえ、軽く扱われるのが、あの場所だ。


人が死ぬことなど、大したことではない。


粗末事だ。