今更、そこら辺を突っ込んで色々なことを言う気は無いが……二番目の兄は翠蓮の後宮に入ることについて、色々と思うことがあるらしい。


「事情は聞いたが、本当に大丈夫なのか?翠蓮」


昔から、何かと翠蓮の体調を気にかけていた慧秀を見上げて、翠蓮は笑う。


「ええ!どうせなら、黒幕を捕えてやりますよ!」


再会した日。


一度殴ったら、スッキリして普通に付き合えている慧秀。


一方で、一度殴ってもスッキリしなかった相手が、祐鳳だ。


何故なら、心配の度合いが違うというか……無鉄砲馬鹿並みに、李将軍に弟子入り志願したという話を聞いて、呆れ返ったのだ。


今や、軍事において、皇帝陛下―つまり、黎祥の右腕、左腕と呼ばれる存在の一人、李将軍に弟子入りするなんて馬鹿も大概である。


それなりの訓練を受けてきたものでさえ、李将軍には相手にされないというのに……武官を志した途端、体当たりなんて、恥ずかしくて……もう。


そもそも、翠蓮はこの国の政治体制に詳しくはないのだが、この国は三省六部という構成で成り立っていることは知っている。


どうも、どこかの昔の制度を利用しているらしく、先帝の治世の際に一度滞ったものの、再び、黎祥が生き返らせたらしい。