【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―




「―翠蓮~、何で変態を呼ぶんじゃ?」


と、何故か、妖々たちが現れた。


「妖々に……麗々?久しぶりね、ふたりとも」


数ヶ月ぶりだ。


それなのに……何故か、ぶすっとした顔の妖々。


「久しぶりなのに、なんで、儂じゃないんじゃ!」


……うーむ。よっぽど、飛龍のことが嫌いなのか?


今日は二つ結びの彼女は前と特に変わらぬ格好で、周囲を見渡すと。


「何じゃ、仲間がいるのか」


と、破顔した。


「仲間っていうほどのものでもないと思うけど……妖々、飛龍、呼び出せない?」


「~~っ、だから、どうして、あやつなのじゃ!」


「どうしてって……私、まだ、二人に名前をあげてないし……何より、妖々はまだ、子供でしょう?」


その一言で、目を丸くしたふたりは。


「……違うよ、翠蓮」


と、麗々は肩を落として。


妖々は、「儂らに、できぬことなど無い」と、言う。


「できないことは無い?……まさか」


「本当だよ。この国のことなら……全て見えるし、聞こえるからの」


それが本当なら、大変なことだと思うのだが。


「……じゃあ、聞きたいことがあると言ったら、答えてくれる?」


「もちろん」


「…………今まで、毒の事件が多発していてね」


「知ってるよ」


「その犯人を、知りたいの」


「……どうして?」


「だって、次に被害者が出たら、困るでしょう」


「儀式のことは良いのか?」


「ダメだけど……それはそれで考えるわ」


「……」


妖々は翠蓮の顔をじっと見たあと、


「……教えてもいいが、証拠は何もないぞ?」


と、言った。