(なんか……想像出来る自分が、怖いよ)
下町で過ごしていた時、黎祥は常に目を輝かせてたしね。
「因みにその無鉄砲さは、先々帝譲りだそうですわ」
笑顔で言われて、それなら、と、翠蓮は未来に思いを馳せた。
「……皇帝陛下の子供はきっと元気な子でしょうね」
「そうね。間違いなく」
順徳太妃は灯蘭様に目を向けながら、複雑そうに笑った。
灯蘭様は公主らしくなく、先々帝の御子。
やはり、何か感じるものがあるのだろう。
「楽しみです」
翠蓮がそう微笑むと、
「本当に?」
腹の中を探るような声が、翠蓮の心を揺らす。
「……嵐雪から、一通りは聞いてますよ」
聞いているのか。
数人か、既に知っているもの達ばかり。
聞いているということは、話しても大丈夫だと信頼されているからだろう。

