「内楽堂ですか……」
「はい。色んな方々に、お願いされまして」
灯蘭様にお願いして、嵐雪さんを呼び寄せてもらった翠蓮は早速、彼に許可を取りに来た。
「……灯蘭様の、お考えですか?」
「ええ、そうよ!」
チラリ、と、嵐雪さんが視線をむける。
そこに堂々と座っている灯蘭様は、横に座っていた同母弟君の雄星様と異母弟の高星様に、
「二人もそう考えているものね?」
と、聞いた。
「はい。姉上の言う通りです。内楽堂では病にかかったというだけで、多くの人材が喪われています。それだけで、多くの国にとっての損害になっているのではないでしょうか。国政を傾けない為にも、そこに資金を回して、患者を死なせるのではなく、減らしてはどうでしょう?その人材の代表には、順翠玉がぴったりであると、僕は考えます」
幼いとは思えない口振り。
流石、優秀秘書官が褒め称える従兄弟だ。