「後宮に住んでいた、かの家の出身のものも例外ではなく、皇帝陛下の子を宿した妃を弑逆するなどの行為を、先々帝の御代より行っていたのです」


黎祥の兄弟になるはずの人達が……黎祥の甥姪になるはずの子達が……権力争いの末、この世で泣かずに消えた。


「それらを踏まえた上で、皇帝陛下は皇族弑逆罪を問い詰め……多くの人が、亡くなりました。先々帝、先帝の後宮にいたかの家の出身の者達も例外無く、処刑されました」


黎祥の、皇帝陛下としてのお話。


ずっと、彼女は見てきたのだ。


黎祥が、この国を変えていく様を。


自分の親が、死んでいく様を。


「……母が刑死、そして、その親族も処刑されているのですから、幼くとも、彼女達が産んだ紅杏や飛耀(ヒヨウ)は処刑されるはずでした。私が止めようと思っても、私にはなんの力もなかった……そんな時、柳皇太后が二人を救ってくれて」


心の底から、安堵したのだと言う。


麟麗様は、心から兄弟を愛しているんだということが、ひしひしと伝わってきた。


そして、刹那、真面目な表情になると。