「……と、ところで、第七皇女は露珠(ロジュ)だったか?」
風向きが怪しくなってきたので、話題転換。
嵐雪は満足していないようだが、今はそれどころではない。
「そうですよ。御歳、十五です。御母堂は、尹賢太妃です」
「尹賢太妃……恐らく、これで全てだよな?」
「ええ。先々帝の歴史に刻まれた御子たちは、それで全てにございます」
「……最初から聞いて、不思議に思ったのだが……おかしくないか?」
「何がですか?」
黎祥の兄弟である先帝、第五皇子、第八皇子の母親は、柳皇太后。
この時点で、不思議だ。
黎祥の兄である第五皇子はともかく、第八皇子の母親が柳皇太后であるというのは、彼女が本当に先帝の母親であるならば、おかしい話。
何故ならば、先帝と黎祥の年の差は十九、と、親子でもおかしくないからだ。
「……柳皇太后の……、義母上の御歳は分かるか」
「柳皇太后様ですか?」
「ああ……革命のためなのか、それとも、先々帝が即位なされた時から傍にいたからかは分からぬが……おかしくないか」
「だから、何がです」
行方不明になっている第五皇子の年は、二十三。
同じく行方不明の第八皇子は、十三のはず。
この時点で、十の差がある二人だが……別に、後宮においてはおかしな話ではない。
問題なのは、先帝と第八皇子の年の差である。
生きているのなら、先帝は今年で四十。
その同母弟が、十三というのは……柳皇太后が現在何歳で、何歳の頃に先帝を産んだのか、疑われる年である。

