「今日の歓迎会、お前大丈夫か?」



月曜日から結花の産休代理できてくれてる関(せき)さんの歓迎会。
その幹事をしている同期の桜木(さくらぎ)が俺の肩をトントンと叩く。



「おう、行けるぞ」


「結花ちゃん、予定日近いんだろ?大丈夫か?」


「結花からも、代わりに来てくれる人をきちんと歓迎してきてって頼まれてんだ。まぁ、一次会で帰るよ。やっぱり心配だから」



俺の妻、結花は臨月だ。
予定日も近いし、本当は歓迎会に行くつもりなかったけど、結花に怒られたから行くことにした。



「しかし、お前がそんな愛妻家になるなんてな」


「なんだよ、それ」


「たしかに結花ちゃんのことがすげぇ好きなのは分かってたけど、お前一途になれるわけないと思ってた」


「過去は過去だろ」



机の上にあった資料でぼんっと、桜木の頭を叩く。



「嬉しいんだよ、ちゃんと大切にできてるみたいで」


「俺をなんだと思ってんだよ、ばーか」