「なんか変わったね、結花」


「そう?」


「もう、あたしと恋のライバルはないのかー。寂しなぁ」



なんて、体を伸ばす菜美。



「もう、やめてよ。シャレにならなくなるから!」


「はは、ごめんごめん」



中学の3年間も、高校の3年間も。
あたしの彼氏になった人はみんな最終的には菜美を好きになった。
そして、振られるのがあたしだった。



『ごめんね、結花』



と、いつも泣きながら謝っていた菜美。
別に菜美のことを怒ってなんかいない。
だって、好きになったのはあっちの勝手だから。
ほかの人を見るすきを与えた自分が悪いんだってそう思った。



「結花の旦那さんと知り合うこともないし、もう絶対ないことだね」


「あったら困りますからー」



あたしのことを好きだと言っていたひとたちが、みんな菜美を好きになったって、あたしは菜美と友達でいた。

でも、もう結婚したいま。
もし、本気で他に好きな人を作られたら、あたしはもう立ち直れないと思うから。