「結花、こっち向いて」



俺が「関さんなんかで汚して欲しくなかった」といった一言がだいぶ関さんにはきいのだろう。
彼女は涙を流しながら崩れ落ちていった。

すべては、俺の過ちからはじまったから。
桜木に連れられて、出ていく彼女に「ごめん」と一言謝った。

本当はそんなこと言うべきではないのかもしれない。
でも、俺の断れないというトラウマが、引き起こした俺の罪だから。



「信じられないよ、もう」



目に涙を溜めながら話す結花に胸がぎゅうっと締め付けれる。



「結花、ごめん」



俺は何度、結花のことを傷つけていたのだろうか。



「結花が信じてくれるまで何度でも謝るから。俺とずっと一緒にいて欲しい」


「嫌だ。もう、顔も見たくないんだもん、あっ……風音」



少しのあいだ、ベビーベッドに寝かせていた風音が起きたのかギャンギャンと泣き始めた。

その声にハッとなって、寝室へと走っていく結花。