あたしの横でスヤスヤと眠る顔。
あたしより3つうえなのに、どこか少年ぽさが残っているその顔は、あたしに安心感をもたらしてくれる顔だ。



「……ん、おはよう。結花(ゆか)」


まだ眠いのだろう。
目を擦りながら、起き上がる。



「おはよう。透(とおる)くん」



そんな透くんに続いて、あたしもベッドから起き上がる。



「結花は寝ててもいいんだよ?無理しないでよ?」



優しくふと笑って、あたしのお腹を撫でて「おはよう」と告げる。



「大丈夫だよ。生まれたらこんなふうに過ごすこともなかなかできないんだろうから、今のうちにたっぷりしておきたいの」



さっきまで、透くんが触れていたお腹に今度はあたしが触れる。



「もうすぐだな。予定日」


「うん。どんな女の子が生まれるかなぁ?」


「ほんと楽しみ。きっと結花に似て可愛いよ」



ぽんっとあたしの頭を撫でてくれる。