「朝ごはん、食べ損ねた。夏海、何かある?」

「柿ピーある」

「何で、柿ピーよ。オヤジくさいな」



 二人笑いながら生徒会室に入る。
 夏海が小さな箱に書類を入れ、わたしもその上に載せた。

 まだ少し時間があるから、わたしは落ち着くために椅子に座った。
 すると、夏海が本当に柿ピーを持ってきた。



「本当に持ってたのね」

「嘘つかないって。そういえば今度、みんなで集まろうって言ってるの。メッセージ見たでしょ?」



 そうだった。
 昨日、ラインのメッセージ見て、何の反応もしてない。どう反応していいかわからなかった。


 だって、グループの中に秋くんがいる。
 夏海とその彼氏、夏海の幼なじみの男子、わたし、それに秋くん。男も女も関係なく付き合っている仲間。


 みんながいるからって、大丈夫なの? 話せるの? また好きになってしまう。
 会ったら、必死で抑えていた気持ちが溢れてしまう。


 今だけは駄目。
 あと一週間は必要。
 彼の人生を狂わせたわたしが、これ以上迷惑をかけちゃ駄目なのに。