「電車、すぐ来そうだな」
「そうだね」
ホームに立っていると、今度は秋くんがわたしの手を握った。
「え、あの……」
「雪乃って背が低いから、すぐにはぐれそうだし」
「そんな子供じゃないよ」
怒ってみるけど、指の間に滑り込んでくる秋くんの指が男らしくてドキドキしてしまった。
「子供じゃないけど、喫茶店までこうしてて欲しい」
「ああ、絶対離さない」
ぎゅっと力を入れられて恥ずかしくなる。
今、秋くんの顔が見られない。絶対赤くなってるもん。
お願いだから、気づかれませんように。
「何、真っ赤になってんだよ」
「秋くんのバカ! 電車乗るよ!」
「おい、何だよ。バカって」
女心、全然わかってないんだから。



