雨に恋するキズナミダ


「夏海がさ、雪乃を連れ出して欲しいって」

「あー、夏海に言われたのか」



 何でがっかりしてるの、わたし。



「また夏海。盛大な勘違いしてるんじゃない? 恋人というか、好きな人というか」

「あながち間違っちゃいねえけど」

「え?」

「これ、買ってくる」



 意味を問う前にわたしから離れていく。ズルい!


 そのまま着ていくことを店員さんに言って試着室に入っていく秋くん。


 大人っぽく見えていたけど、全く変わってない。ただわたしが勝手に変わってしまったんだと思い込んでいた。
 違う。変わったのはわたしだ。



「もう戻れないのかな」



 楽しいと思えていた高校が、今ではただ行くだけの場所になってしまった。もっと前向きでいなきゃ。


 それにしても夏海ったら気のつかい方が間違ってる。
 秋くんとデートするように仕向けるなんて。


 夏海も一緒に来たらよかったのに。
 あ。あっちは、あっちでデートか。