雨に恋するキズナミダ


 わたしが言うと自分の服を見た秋くんが少し顔を赤くする。


 茫然と立ち尽くす秋くんの手を引っ張って、駅前の小さなショップに入る。



「ここ割と安いの。それに、似合う服あるから」

「雪乃って結構ズバズバ言うよな」



 わたしはカッコイイ秋くんが見たいだけ。まさか私服がいまだにヤンキーとは思わなかったんだもの。


 気にしたことないのかな。高校を辞めてから、ずっと? もしかして、辞めたことを後悔してる?



「あー。雪乃」

「何?」

「そろそろ手、離してくれないか。その、オレの汗が……」

「ごめん!」



 びっくりした。駅から今まで手を繋いでいたなんて、そんな恥ずかしいこと平気でしてたんだ。


 あんまりグイグイいきすぎて引かれた? もしかして、嫌われた? もう、全部秋くんの服装が悪い。



「赤くなったり、青くなったり、忙しい奴だな」

「だって……」

「服のことよくわかんねえし、選んでくれるか?」

「よ、喜んで!!」

「居酒屋みてえだな」



 どうやら嫌われてはいないみたい。そう思ったら嬉しくなって叫んでしまった。