雨に恋するキズナミダ



 うわ、これは思った以上に美味しそう。


 シンプルにバターが乗っただけのホットケーキだけど、分厚い小さめホットケーキが可愛い。溶け始めるバターが食欲をそそる。



「あ」

「何だよ、いきなり」

「秋くんは何か頼まなくて良かったの? ほら、ナポリタンとか?」

「オレはこれから実家で飯だからな。やめとく」



 一緒に食べたかったとか言えない。



「秋くんって実家通いなんだね。てっきり一人暮らしかと思った」

「中卒程度の学歴じゃ、一人暮らしなんてまだ無理だ。そうだな五年はかかりそうだ」

「……ごめんね、わたしのせいで」

「違う! お前のせいじゃないって、何度も言ってるだろ!」



 怒りながら言う秋くん。
 それでもね、責任感じちゃうんだよ。わたしが秋くんの未来を台無しにしてしまったんだから。



「……美味しい」



 誤魔化すようにホットケーキを口に入れたら、本当に美味しい。また食べに来たいな。