雨に恋するキズナミダ



 確か、前に秋くんと一緒に自動販売機で買ったやつ……学校帰りに、秋くんが選んでくれたアレは何だった?



「仕方ない奴だな」



 メニュー表の見たことのないカタカナがわたしの頭を回り始めた瞬間、ひょいっとメニューを奪い取られる。


 メニューがなきゃ注文出来ないんだけど。いや、あっても注文出来なかったのは確か。



「ホットケーキのセット。ドリンクはカプチーノで」



 カプチーノ! それ!!
 前に自動販売機で買った美味しいやつ。


 覚えてくれていた? まさか、ね。



「かしこまりました」



 秋くんがウィンクしてメニューをしまう。何か、バカにされた気分。


 珈琲とか知らなくてすみませんね。わたしは子供ですよ、子供。まだ社会に出てないお子様です!
 今流行りの珈琲チェーン店にさえ行ったことがないガキですもん。



「何むくれてんだよ」

「別に」

「言わなきゃわかんねぇよ」

「だって秋くん変わりすぎて、自分が子供みたいなんだもん」

「ほう? オレ、大人に見える? それは嬉しいな!」

「一人で喜ばないでよ、元ヤンキーのくせに」

「それ関係ないだろ!」