雨に恋するキズナミダ



 ・・・


 すごく大人!!
 第一印象はそんな感じ。だから喫茶店に入った時、わたしは思わず怯んでしまった。


 明かるすぎない店内。暖色の明かりが各テーブルを照らし、カウンターにもそれはあった。


 まだ時間的に早いのか、お客さんはわたしたちと常連らしきカウンター席の二人。



「何突っ立ってんだ。行くぞ」

「あ……うん」



 秋くんが堂々と奥のテーブルに歩いていくから、何となくカッコイイなんて思ってしまった。


 席に着くなり、秋くんはメニューを片手に落ち着いている。わたしも同じようにメニューを見る。


 程なくしてカウンターの中にいた男性が水を持ってやってきた。



「ご注文は?」

「オレはアメリカン。雪乃は?」

「あ。えっと……」



 わたしは混乱した。
 珈琲のメニューが多すぎて何が何やらわからない。これ適当に選んだら、恥をかくやつじゃないの?


 秋くんはアメリカン? アメリカンってよく聞くけど、すごく苦いやつ? それとも普通の珈琲?
 え、珈琲で合ってるんだよね。わたし、珈琲とかあまり注文しないからわからない。