双葉玲音さん...よし!覚えた!!って、またまた呼び捨て!?いきなりハードル高いよぉ...

「えーっと...」

私は、慌てるばかり。

うぅ~...こういうとき、呼び捨てで呼ばなくちゃいけないの?先輩かもしれないのに...

あたしがあれこれ迷っていると...

「あのさ、なんか勘違いしてるみたいだけど...俺のネクタイの色、見てみなよ。」

え?ネクタイの色?...あっ!

私と同じ赤だ...ということは...

「そ、俺もお前と同じ。一年だから。」

えぇぇぇ!?一年生だったの!?てっきり、上級生かと思った...

同い年なのに、敬語使っちゃったよ...

「えっと、じゃあ、玲音君じゃダメかな?」

あたしがそう言うと、少し不機嫌そうな顔をする玲音君。

しょうがないじゃん!男の子をいきなり呼び捨てとか出来ないよ!

あたし、恋愛したことないんだよ!?いきなりハードル高すぎる!

「ん。まぁいいや。あ、あとさ、」

えっ?今度はなに?

「お前、もっと危機感もった方がいいよ。そんな可愛いんだから、すぐに襲われるよ?鈍感女。」

なっ!?鈍感女!?

「じゃ、俺は入学式行くから。りずも早く行かないとでしょ?遅刻しても知らないから。」

そう言って、玲音君は行ってしまった。

はぃぃぃぃ!?言いたいことだけ言って行っちゃった...

「な、なんだったんだろう...今の。それに...」

鈍感女ってなに!?失礼な!

よく言われてるけど、鈍感じゃないもん!

あと、可愛い?このあたしが...?

襲われる?誰に...?狼とか熊とか...かな?

な、ないないない!あり得ないよね!

こんな街中に狼や熊がいるわけないし!

あたし、全然可愛くないし!

こんなあたしを可愛いって言うなんて...玲音君。

目がおかしくなっちゃったのかな?

よし!今は考えないことにしよう♪

私は、考えることを放棄し、学園へ向かった。