エスポワール~私と御曹司~


望「俺の顔ばかり見てないで
ちゃんと絵を見たらどうだ?」

希「気付いてたんですか?」

望「当たり前だろ。」

希「私の事は気にしないで下さい。
楽しんでますから。」

この美術館のメインであろう絵画の前に
置かれているイスに座りながら
辺りをぐるっと見回した。

閉館後の美術館は何だか少しもの悲しい。
役目を終えた絵画たちが
泣いているようにも見える。

御曹司はこんな寂しげな絵画を見て
綺麗だと思うのだろうか。
もっと人が賑わう中で見た方が
きっとこの絵画たちの笑顔が見られるのに。

絵の世界の事には詳しくないから
分からないけど、想像だけど。

やっぱり何だって、誰だって1人は寂しい。