思わず大きなお好み焼きを口にして口の中が熱かった。
ちょっと油断した。

「上の展望フロアに行く?」

うん。うなずいて答えた。
まだ口の中のものが大きくて、声には出せないけど。

食べ終わってトイレに行きたいと言って、ついでにうがいをしてガムをかんだ。
展望フロアから夜景を見る。

さっき乗った観覧車も見える。
あんなに大きいと思ったのに、今は小さく眼下に見下ろせる。

「なあ、兄貴に連絡していい?」

何で聞く?何がダメ?
首倒す。

「別に嫌じゃないよ。」

出来るだけ、おしゃれするし。

「もっと深く考えてくれよ。」

「何で?」

そう言ったら逆に分からないって顔をされた。

「まあ、いいや。じゃあ、明日にでも連絡してみる。」

「・・・・うん。」

しばらく手をつないで遠くを見ながら話をして、また大場の部屋に戻った。