ロッカー前で着替えていると早速みゆきがやってきた。
ニヤリと笑いそうな顔を何とか抑えてるように見えるのは気のせいだろうか?

「今日はランチ、外に行こう。いい店見つけたんだ。」

本当に?
横目でうかがうと笑顔で去って行った。
懺悔と自白の時間が待っているんだろう。

懺悔は全く内緒にしてた事、相談もしなかったこと。
自白は昨日のことまで全部。

それは・・・・階段の事までにしよう。
階段で告白したと言うところでおしまい。
そして週末デートの約束をしたということにしよう。
その他は・・・少しは内緒にしたい。


波風立たない日。そんな日もある。
どこか弛緩しそうな心。つい思い出しそうなあれこれ。
引き締めても口角が上がってしまう口元。

付箋が回ってきた。もちろんみゆきから。

『うっとうしい先日までとは一転、百面相はただただ面白い。
何も隠せるとは思わない事。』

小さく小さくたたんで・・・・やっぱり開いて、静かに静かに破った。机の下で。

どうしよう、無理かも、隠し事。
ぜんぶ喋らされそう。

なるようにしかならない。


楽々と2人でランチ時間を迎えてさっさと外に出た。
山場は超えたばかりだし。

確かに行ったことのないお店に入った。
新しいお店みたいで、朝に言ったことは嘘ではなかったらしい。