それからも何度か会社ですれ違ったり、遠くに姿を見たりしていた。
なかなか近くに行くチャンスはないもので。


しばらくして同期で飲み会があり参加した。
うっすらと期待はしていたが、彼女もちゃんといてくれた。
当然早紀さんはいない。
同じ年でも同期じゃないのだから・・・・・、心の中では小躍りしてる自分がいた。


にぎやかなのが嫌いなタイプではない、むしろ好きなくらいだ。
研修の時だって率先して盛り上げ役になっていた。


むしろそれが災いしたのか飲み会でも気軽に声をかけられてしまい、なかなか彼女のところには行けず。
相変わらずなのか端の方の席にいる。
むしろ安心もした。


彼女のような子にしてみれば、自分は軽いお気楽な男に映ってないだろうか?
誰にそう思われてもいいが彼女にそう思われると悲しい気もする。

のんびり楽しんでる風を装い周囲に溶け込みつつ、これ!というタイミングと隙をうかがっていた。
まったく酔えない時間・・・・。


でも待てばチャンスはあるもので、彼女の向かいの席が空いた時にお酒を取りに行くふりして空いた席に座った。

自分の中ではガッツポーズだったけど。顔には出てないはずだ。

話しかけてみた。
ちょっとびっくりしていたけど、挨拶をして、懐かしい話をして、当たり障りない近況を話して。
その内に何度か笑顔も向けられた。

随分久しぶりに正面からその笑顔が見れた。
あれから二カ月ほどたって随分会社にも慣れただろう。