こんなはずじゃないのに。

「じゃあ、シャワー。一緒に入る?」

「・・・嫌だ、一人がいい。」

「だろうね。先にどうぞ。」

そう言われてバッグから下着を出して・・・・・。

「ねえ、パジャマいらないって言ったから。」

「いいよ、すぐ脱ぐから。後で出すから。バスタオルで充分。はいはい。」

タオルを渡されてバスルームに追いやられた。
あ、化粧品を持ってこないと。

また出てバッグのところに戻り、必要なものをとってバスルームに戻る。
シャワーを浴びて、ドライヤーも借りて髪も乾かしてさっぱり。
本当に、これまた素直にバスタオルを巻き付けて出ると、手を引かれて寝室に連れていかれた。

「先に入って待ってて。ただし、勝手に寝たら起こしたうえで明日まで寝かせない。」

「・・・・まだ、寝ないから。」

「すぐ出てくるから。」

そう言って出て行った。
本当にすぐに戻って来たかも。
暗い部屋で一人ぼんやりと待っていたけど、5分くらい・・・もっと短いくらい?

腰にバスタオルを巻いてこっちに近寄ってくる。
思わずベッドの端に行った。

横になって布団の中に引きずり込まれた。
同じ匂いがする。
髪はまだ湿ってる。

「風邪ひくよ。」
「いい、どうせ、汗かくし。」

バスタオルをとられた。

暗い部屋で目が慣れても闇の中。
お互いの瞳がうっすら光るのは分かる。

「暗いな。」

同じことを思ったらしく少し明かりがついた。
表情が見える。

ここに来て緊張がマックスレベルになり、体が硬くなる。

「そんないきなり襲わないし、もっと力抜けば?」

そう言われても、努力が必要で。
バスタオルとられた状態では信じられない。
ただ顔を見上げる。

ゆっくりキスをされた。
目を閉じて首に縋りつく。

上に乗られて、ゆっくり深いキスになり。

息苦しいのに自分でも唇を離せなくて。

「意外に大胆だなあ。胸がさっきから当たってるんだけど。」

顔を離されて冷静に言われた。

ゆっくり手が胸に落ちる。
最初からほとんど裸なんだから、当たるのは当たり前。
上半身が離れても、くっついていたくて。
胸に隙間が出来た分、下半身を寄せるように腰を引き寄せた。

ゆっくり腰をくっつけながら体に欲しいと伝える。

自分から大場の下着に手をかけた。
胸を触りながらゆっくり腰を離す大場。
思い切ってずらした。
首元をはっていた唇が胸に来て、空いた手で私の下着も下ろされた。

「随分我慢したんだから。」

「・・・・知らない・・・って。」

息が荒くなって、声を押さえるように肩口に顔を当てる。
身体が正直に反応してるのは分かる。

「早く・・・・。」
つい口にしてしまった。

ふっと笑われた気がした。その余裕が悔しい。

もう一度首に縋りついて体を合わせる。
足を絡ませ合い、もつれるように揺れる。

大場がゆっくり動いて応えてくれる。

声が出そうになる。
ぎゅっと首に力を入れると苦しいと言われた。

「もう・・・・嫌・・・・お願い・・・・。」

下から見上げた。

大場が頭の方へ手を伸ばして準備をする間大人しくしていた。

何で今まで素直になれずにいれたのか。

二人でくっついて・・・・あっという間に終わった。

幸いにお互いのタイミングがそうズレなかった。