「そんなに慌てなくてもいいだろ?
ほい。」



QRコード画面を私に差し出してくれる。
それを読み取ると、〝瑠衣〟という名前のデータが私のスマホの中に入ってきた。



やった!



はしゃぎたい気持ちをなんとか抑えて、ありがとうございます。と笑った。



「あとで、連絡するわ。」



『はい!』



先輩の方から連絡来るなんて!



「んじゃ、もう暗いし帰るか。」



バスを降りてからあっという間に30分経ってる。



『そう、ですね。』



もっと話したい。



「それじゃ、またな。」



ポンポンと頭を撫でてから、私が行く道とは反対方向に歩んだ先輩。



きっと私の顔は赤いと思う。
漫画でしか見たことがなかったことをされたから。



『はい、じゃあ。』



ぺこりと頭を下げて私も自分の家に帰る。



もっと先輩のこと知りたいと思った。



それでも、今日知りたかったことは全部知れた。





私よりも4つ上の大学生。
大森瑠衣先輩。