『明日はどうする?』

机の上に置いていたスマホが、着信音を鳴らして明るくなる。私は読んでいた小説に栞を挟み、スマホを手に取った。

『雨が降るみたいだけど』

続けてメッセージが届く。
…そっか。明日はあの日か。
私は『南瑠』と書かれたトークを開いて返事を打った。

『いつも通りで』
『わかった。』

すると、すぐに返事が届いた。
既読だけつけてスマホをあとにし、入れて置いた紅茶に口をつける。

私、『胡ノ宮 咲』と『神里 南瑠』は幼馴染だ。家が近く、幼稚園も同じだったことから、ずっと一緒にいた。社会人になった今でも、2週に1度、木曜日は互いに予定を開けて会っている。そして、明日がその木曜日なのだ。