.:*゚:.。:. ☆.。.:*・゜


わたしの成績は抜群によくなった。

誰よりもまじめに授業を聞いて、ノートをまとめ直している。

結果が出ないはずがない。


智絵は相変わらず、わたしと一緒に登校することはない。

形だけ出席日数を稼ぐために、チラッと保健室に出てくる日はあるらしい。


でも、智絵とわたしの関係が切れたわけではなくて、智絵の体調がいい日には、部屋で一緒にしゃべったりゲームをしたりした。

会えないとき、智絵はイラスト付きの手紙をくれた。

わたしは、短編小説を書き上げるたびに智絵に読んでもらった。


わたしが智絵の部屋にいたとき、たまたま、智絵の担任である女の先生が家庭訪問に来たことがあった。

わたしたちはゲームをしていた。

担任が智絵の部屋に入ってきて、智絵は慌ててゲームのポーズボタンを押した。


小さな音量でBGMが鳴り続ける。

智絵は担任のほうを見ず、視線を低くしたまま、体を硬くしていた。


わかりきったことを、担任は智絵に訊いた。


「やっぱり、教室には行きたくない?」


智絵は震えながらうなずいた。


本当は、行きたいか行きたくないかっていう、意思の問題じゃないんだ。

智絵の体調は、学校というものを拒んでいる。


体が動いてくれないときは本当にどうしようもないんだって、担任にはきっとわからないんだろう。

学校という世界でつまずいたことがないんだろうから。