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どういう神経なのかわからないけれど、公開告白をする人がいる。
そういうテレビ番組が流行っているせいもあるかもしれない。
雅樹のいる理系特進クラスと合同の体育の後だった。
二年生の教室から、雅樹のことを「先輩」と呼ぶ声が聞こえて、そこにいる全員が校舎を見上げた。
「先輩、好きでーす!」
まわりが盛り上がるよりも早く、雅樹は勢いよく頭を下げた。
「ごめんなさいっ!」
それで、おしまい。
二年生の子は顔を覆いながら教室に引っ込んで、雅樹は仏頂面で何も言わなかった。
その日の放課後に雅樹と会った。
偶然というより、たぶん、会う可能性の高い廊下をお互い選んで通った結果だと思う。
雅樹は皮肉っぽく笑っていた。
「ああいうのってさ、言われたほうがむしろ晒し者だよな。女の敵だって、あちこちからチクチク言われて、居心地悪いのなんのって」
「文化祭のときは、あと半年しかこっちにいない先輩だから断ったんでしょ。後輩だったら、もうちょっと長く一緒にいられるのに」
「だから、しゃべったことない相手と付き合えって?」
「知り合いじゃなかったんだ?」



