いびつなダブルデートの終わりには、バスの中でひとみがわたしに寄り掛かって眠った。
わたしはその体温の柔らかさにおびえながら、ぐちゃぐちゃする感情を片っ端から箱に詰めて凍らせた。
みんな恋をしている。
わたしは恋を否定している。
だって、意味がわからないから。
恋よりもよほど強い感情が、わたしにはある。
わたしはわたしが憎い。
どうしてわたしを殺してしまわないんだろうと、ことあるごとに思ってしまうほど、わたしはわたしが憎い。
自分への憎しみで埋まった胸に、ほかの要素が入ってくる隙間はほんの少ししかなくて、そこにはミネソタでの思い出が入っている。
恋は邪魔で、いらない。
いらないものを押し付ける人も、消えてしまえばいい。
ケリーとブレットにクリスマスカードを送った。
本音をつづった近況なんて、同封できなかった。
クリスマスには模試があった。
遊ぶ余裕のないことを嘆いてみせる人も多かったけれど、わたしはラッキーだと思った。
恋人のイベントなんて、どうだっていい。



