死にたがりティーンエイジを忘れない



冬が長くて厳しいミネソタでは、遊園地さえ屋内にあった。

町が丸ごと一つ入っているかのように大きな大きなショッピングセンターがあって、その真ん中が遊園地になっていた。

学校の課外授業で、一日かけてショッピングセンターと遊園地で遊んだ。


遊園地なんて、いつ以来だろう?

そもそも観光のために外出するなんて、いつ以来だろう?

毎日私服で出掛けるなんて、いつ以来だろう?

こんなに楽しいのなんて、いつ以来だろう?


週末を利用して、学校の休みも一日もらって、湖のそばへ家族でキャンプに行った。

寝泊まりするのはテントではなくて、スティーブが誰かから借りてきた大きなキャンピングカー。


途中で昼食のために寄ったハンバーガーショップに、わたしは電子辞書を置き忘れてしまった。

キャンプ場に着くころになってそれに気付いて慌てたけれど、マーガレットがすぐにハンバーガーショップに電話をして、電子辞書が無事にそこにあることを確認した。


「帰りの日のランチもそこに決定ね。悩む必要がなくなったわ」


マーガレットは冗談っぽく笑って言った。