夏の間、ミネソタでは日が沈むのがとても遅い。
磨かれた窓から外を見るたびに、薄青色の晴れた空が淡く光っていた。
家の中を案内してもらったり、日本からのお土産をケリーたちに渡したり、たまたま家を訪れたご近所さんにあいさつをしたり、スーツケースの中身を生活しやすいように整理したり、
そうこうするうち、あっという間に夕食の時間になった。
外が明るいから、夕食だと呼ばれて時計を見て、初めて午後七時だということに気が付いた。
そんなに時間が経っているなんて思いもしなかった。
マーガレットの夫であり、ケリーとブレットの父親であるスティーブは、テレビ局の仕事をしているらしい。
仕事が立て込んでいるときは、夕食の時間にしか家に帰れないそうだ。
わたしと竜也は夕食の席で初めてスティーブとあいさつをした。
アメリカ人の四人家族と、わたしと竜也。広々としたダイニングのテーブルは、六人で囲むにも大きすぎるくらいだった。
夕食のメニューはシンプルだ。
大皿に盛られたトマトソースのパスタと.オーブンで焼いたチキンと野菜。
飲み物はオレンジジュース。
お祈りをした後、それぞれが自分の皿に取り分ける。
食べたいときにちょっとずつ取り分ける日本のやり方と違って、最初に一人前を作ってしまう格好だった。



