マーガレットはわたしと竜也に尋ねた。


「二人は友達なのかしら。日本では知り合いだった?」


いいえ、とわたし達は答えた。

竜也がゆっくりと、英語でわたしに説明した。


「おれの最初のホストファミリー、この夏に別の計画が入って、キャンセルしたんだ。だから、おれは別のホストファミリーのところに行くことになった」


マーガレットが説明を引き継いだ。


「そうなのよ、タツヤ。あなたはわたしの家に来るの。わたしも夫も子どもたちもあなたを歓迎するわ。アオイ、いいでしょう?」


わたしはうなずくしかなかった。

竜也は、照れたような様子で、すべすべした頬を掻いた。


竜也はわたしよりも少し背が低い。

うらやましいくらいの、くっきりとした二重まぶた。

顔の輪郭がほっそりとして、やせぎすで手足が長い。

ハーフパンツからのぞく脚は、スポーツをしているんだろうなという印象。